IO電圧

デジタルとアナログの違いは何か?アナログは連続している世界、デジタルは飛び飛びの世界です。例えば身長は160cmの次にとつぜん170cmになるわけではなく、160.00001cmになり、160.00002cmになり、ちょっとずつ伸びていきます。デジタルもけっきょくはアナログの世界で表現しないといけないんですが、人間が都合よく決めて飛び飛びの値を定義したのがデジタルです。

IO電圧とは

InputとかOutput、つまり誰かに情報を渡す時、受け取るときに、基準となる電圧のことです。I/O Voltageとも言います。最近だと3.3Vとか1.8Vとかを使うことが多いです。たとえば3.3VをIO電圧にする場合、0Vで0を表現して、3.3Vで1を表現します。

IO電圧の厳密さ

では、IO電圧はどれくらい厳密でなければならないのでしょうか。3.3Vが3.29Vだったらどうなるのか、0Vが0.01Vだったらどうなるのか、その答えは?もちろん、まったく問題ありません。その信号が1 (Highレベル) なのか0 (Lowレベル) なのか、それを判断する閾値は、VIHやVILと呼ばれ、0.2Vくらいは余裕があります。もっとある場合もあります。

VIH

つまり、3.1Vだって問題なく1と認識されるのです。これがアナログよりもデジタルのほうが通信が楽になるキモです。3.3Vといっても3.1Vでもいいんです。厳密な値を使わなくてもいいっていう楽さがあります。だからってなんでもいいわけじゃなく、きっちりとスペックにあるVIHやVILを守らないと、正しく通信できない可能性があります。

スペックのマージン

VIHが3.1Vの場合、3.0Vだとどうなるのでしょう?答えは、たぶん問題なくHighレベルとして認識されます。何事にも、マージン、余裕を持って仕様を決めているのです。半導体は温度特性があるので、規定の温度範囲すべてにおいて問題なく動作するようにスペックが決められます。つまり、あなたがオフィスの机で動かしている間は、スペックをはずれてもけっこう動くのです。だからといってスペックを無視して量産設計しないでくださいね。

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